魔法科学
数世紀前までは魔法学、現代においては魔学の略称で呼ばれる魔法学問。魔法を基礎とした科学的分野に発展した学問及び技術体系。主は武器兵器分野となっている。
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兵器屋
設計開発集積機構を有し、独占的優位性をもつ巨大商会。元は小さな鉄工場だった。
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洗脳
現時点で前線に送り込まれている魔獣兵には、直接脳に洗脳操作用のマガンリウム棒が刺し込まれている。これを前線に送り込む段階である以上、試験運用はさらに先にあると言ってよい。
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魔凝子
魔力を圧縮・固化したものの総称。大きさや圧縮密度によって末尾に1~9の区分けがされる。米粒ほどの物でさえ人が持ち得る魔力総量をはるかに超えるため、基本的には危険物として取り扱われる。=マガンリウム
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魔獣
動物との境界が怪しい種も存在するが、①動物に比べて魔力量が多い、②自我と呼べるだけの明確な個体差及び種族によっては他種族とのコミュニケーションが行える(人語を介する等)、③マガンリウムの摂取で成長や進化、生命維持が可能。
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工房中枢
設計開発中枢機構「アラムス」を有する兵器屋の脳幹部。=Un Real Master Smith
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アラムス
魔力プールを介しデータ化した情報の組み合わせで魔学の中枢を担う母体。
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世界大戦
この世界での大規模戦争は3回。おとぎ話の時代にあった神魔界戦、第二次魔学大戦の前触れとなった各地での紛争を総括しての第一次魔学大戦、そして第二次魔学大戦。
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魔法使いと魔術士
魔法使いは自らが魔力を用いて魔法を発現させることができる戦闘職種。魔術士は魔学機構を有する魔機・魔具の製作から運用、メンテナンスまで幅広く関わる技術者の総称。
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魔法
魔素が結合した気体の状態が魔力。この魔力を別の物体や現象に置き換え、再現する技術が魔力再現技法=魔法である。魔力は時間経過と共に結合が緩み霧散する性質を持ち、魔法として再現する力は更にその結合力を弱める。いかに魔力として保った状態を維持できるかが魔法において重要である。
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魔人
アラムスによって魔力プールにある人体データから生み出された複製人間。かつて魔力プールに沈められた人間のデータをもとに胎児から再現し直しているため、元になった人間と同一でありながら違う人格をもつことになった。複製したオリジナル側の近親者や、倫理観において問題となり現在では公的に禁止され行われていない。
魔力プール内に魔凝子を種として胎児の状態から再現され、1年ほどでプールより引き上げられ誕生となる。無事誕生まで至った個体は基本的に一般の人間と大差はなく、1.かつて魔力プールに沈められた人間と同一の肉体を持ち、2.肉体が保有できる魔力総量が他に比べ多く、3.魔素・魔力が存在しない場所では霧散し消滅する、ということくらいである。
魔人=複製人間=レプリアン
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魔学兵器
第二次魔学大戦で初めて投入された魔学兵器は投石器の「石」だった。岩石の代わりにマガンリウムを核にした土塊を投射した。投射時の衝撃で誤爆したものも含め、その被害は後に考案者が軍法会議に掛けられ絞首刑となるほどに問題視されるような、自軍・敵軍共に甚大な被害をもたらす環境汚染殺戮兵器となった。
当時の技術でこぶし大のマガンリウムだったが、衝撃による魔力爆発は着弾地点より100m以内の人間を肉片へと変えた。特に問題となったのは、圧縮状態から急速に膨張する魔力の波が大気中の魔素へと伝播したことによる広域二次被害である。魔力の波は、大気中の魔素の振動という形で戦場の広範囲に拡がることとなり、魔素振動=疑似熱魔法として文字通り人体を中から高熱で焼き殺すことになった。
三次災害として魔素振動による環境面への影響も確認され、年単位で周辺は草木も枯れて育たない不毛の地になった。
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特攻兵器デューマ
第二次魔学大戦も終盤、人員と主に食料面での物資不足に陥り始めていた協動軍は歴史に乗る悪手に出る。特攻自爆兵器である。
リュックタイプの単独高速移動具により敵軍へ接近、そのまま敵陣で自爆することで魔力爆発及び魔素振動も兼ねる大量殺戮環境破壊兵器。これを使ったことで連盟軍が本腰を入れたことにより終戦は早まったとされ、非人道兵器の発案者であるデューマ技術官の名が付けられ後世に残された。